2020年4月28日火曜日

σ(^^)の七冊 その3 万葉の道

万葉の道 全4巻 扇野聖史著 絶版になっています。

https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%87%E8%91%89%E3%81%AE%E9%81%93-%E5%B7%BB%E3%81%AE1-%E6%89%87%E9%87%8E-%E8%81%96%E5%8F%B2/dp/482881020X

このシリーズは、大和路を実際に歩いて描いた地図を中心に構成されています。出版されて、相当経ってからも実際に本を手にして歩いていました。
驚くべき本なのです! 何の特徴もない曲がり角を示すのに、電柱の番号が書いてあったりします。ここは上り! とか、岡寺の塔が見える! だとか、本当に歩いていないと分からない情報がたくさん書き込まれているのです。膨大な作業量です。本当にこの地図だけで、全く知らない場所に歩いて行けるのです。それも、迷わずに!
σ(^^)が飛鳥の畦道や路地に詳しいのは、この本のおかげかも知れません。実際に歩いたからこそ盛り込める内容がぎっしりなのです。例えば、コースの分岐の先が書かれています! 途中で切ってしまっても良いのだけど、行き止まりに何があるかを書いてあるのです。無駄なことが書いてあるのが楽しい! そうσ(^^)は思います。

本の内容は、著者の師である犬養孝先生の影響も強いと思われますが、独自取材された伝承や口伝の紹介もあります。とても興味深く、何度も何度もページを開いていました。
ともかく、細かい! 綿密な歩き込と聞き込みは、本当に真似できるものではありません。定例会で訪れてことがある聖徳太子の産湯の井戸なんて所を知っていたのは、この本を読んでいたからなのです。もちろん伝承なのですが、それも面白いではないですか! 

たぶん、マップを作って情報を書き込んだりするσ(^^)は、この本に強く影響されているのだろうと思います。遠く及ぶものではありませんが。
明日香村境ウォーキングをしていた時など、氏のマップがなくてはかなわないことでした。山の中で迷って、そのままになっていたかも。(笑) 明日香村に男滝っていうのがあるのですが、そんなところに行きたいと思わせてくれました。

我が家の比較的近いところに書斎にされていた家があり、母と親交があったので、一度ご一緒に歩かせていただきましたが、楽しい思い出になりました。母の遺品の中には、著者の「風呂で読む万葉花歌」がありました。風呂で読んでいたかどうかは知りませんが。(笑)

こんな熱意を、自分も持ちたいと思います。素晴らしい本ですが、絶版になったのは悲しいことです。
σ(^^)の七冊シリーズで、今もなおナンバーワンのお気に入り本です。
古本で、倍以上の値段になっています。(>_<) 悲しいような、嬉しいような・・・。